新しく登場したインフルエンザ治療薬「ゾフルーザ」とシェア率の変化

インフルエンザは冬の時期にかけてだんだんとはやり始める病気ですよね。

ここで、1つだけ質問です。

インフルエンザ薬として有名な薬についてあなたは知っていますか?

インフルエンザ薬の使われ方が徐々に変わってきているという面白い記事を見つけたので紹介しますね。

治療薬の種類や使われ方について学んでいきましょう。

インフルエンザ薬の種類

まず始めに、日本国内にあるインフルエンザ薬はどれくらいあるのでしょう。

日本で使われているインフルエンザ薬を下に示します。

インフルエンザ薬リレンザ(ザナミビル)
タミフル(オセルタミビル)
ラピアクタ(ペラミビル)
イナビル(ラニナミビル)
ゾフルーザ(バロキサビル マルボキシル)

基本的にはこの5種類です。

タミフルについては知っている人も多いのではないでしょうか。

ニュースで何度か取り上げられており、タミフルを服用した子供がベランダから突然飛び降りたり、異常行動をしたりしているという報道がありましたね。

他の薬については実際にインフルエンザになって処方された人しかわからないかもしれません。

ゾフルーザの登場

ゾフルーザが今年2018年から新たにインフルエンザ薬として認められ、実際の臨床現場において使われ始めています。

ゾフルーザは2018年2月23日に承認され、2018年3月14日より薬科収載、販売されるようになっています。

2018年からの薬なので非常に新しい薬です。

ゾフルーザが登場するまでに最も新しかったのは2010年に販売され始めたイナビルでしたので、実に8年ぶりに新しい薬が出てきたということですね。

ゾフルーザの作用機序

ゾフルーザの作用機序を簡単に説明しておきましょう。

ゾフルーザはインフルエンザウイルスが持っている酵素を選択的に阻害することで、人間の体内でウイルスが増殖する機構を阻害することによって効果を示します。

インフルエンザウイルスが体内に入ってきたとしても、活動を維持することができずに死んでしまいます。

上の図は販売元の塩野義製薬のサイトからの引用です。

ゾフルーザが販売される前のインフルエンザ薬のシェア

ゾフルーザが販売される前に医師に対してこんなアンケートが行われていました。

インフルエンザ治療薬として選ぶ薬は何ですか?

これは日経メディカルが行った「インフルエンザ治療レビュー調査」であり、1001人の医師が解答しました。

その結果がこちら。

タミフルが断トツの1位であり、それに続いてイナビルが使われていました。

さらに、リレンザ、ラピアクタが続きます。

タミフルでは様々な報道がされてきたにも関わらず、まだまだ信頼は厚いようですね。

ゾフルーザが登場した後のインフルエンザ治療薬のシェア

続いて、ゾフルーザが登場した後にはシェアがどのように変わったのでしょうか。

日経メディカルでは2018/19シーズンに主に治療をするために使おうとしているインフルエンザ薬は何かを医師会員にアンケートを取っています。

その結果がこちら。

ゾフルーザの登場によって、円グラフの様子が一気に変わりました。

タミフルのシェア率はほとんど変わっていませんが、イナビルが大きく影響を受けているのが分かりますね。

リレンザやラピアクタなどはほとんど変わっていません。

ゾフルーザの登場が今後のインフルエンザ治療薬の市場を変えていくことでしょう。

インフルエンザ治療薬の選択理由

日経メディカルでは、医師会員に対して「インフルエンザ治療薬を選ぶ理由」についてもインタビューしています。

非常に興味深い結果が出ていました。

医師が解答した主な選択理由を下に示します。

使いやすい
使用実績がある
即効性がある
副作用が少ない
患者が希望する

インフルエンザ治療薬をめぐっては、過去にインフルエンザ薬との関連が疑われる死亡事故がありました。

そのため、医師がインフルエンザ治療薬を選ぶときには使用実績や使いやすさを基準にして選んでいました。

ゾフルーザは1回の服用でいいので、非常に使いやすいことから選ばれやすくなっています。

インフルエンザ薬を使う時に注意するのは安全性

最後に、インフルエンザ治療薬を選択する際に注意していることについてもアンケートを行っています。

調査の結果は下の通りです。

(n=3974)

この結果を見ると、やはり安全性について医師がかなり注意していることがわかります。

まとめ

インフルエンザは季節性の病気であり、高熱や吐き気などに悩まされます。

今回はそのインフルエンザに対して使われている薬がどのように変化してきたかについて調べました。

2018年からゾフルーザが新しくインフルエンザ治療薬として承認されたこともあり、2016/17シーズンと比べても大きくシェア率が変わっていることが分かりました。

また、医師がどんなことに気を付けながら薬を選んでいるかについても学ぶことができたと思います。

さらにインフルエンザ治療薬やインフルエンザそのものについて学んでいきたいと思います。