薬剤師の人数が○万人を突破!?日本にいる薬剤師の数は?

みなさん、突然ですが、日本に薬剤師って何人いると思いますか?

最近では薬剤師が余ってきてる!

もういらないんじゃないか?

っていう声がありますけど、

実際のところ人数はどれくらいいるの?

気になったので実際に調べてみました!

厚生労働省は2年に一度、全国の医師、薬剤師、歯科医師の人数を調査しています。

1982年から調査していて、すでに30年以上続く伝統的な統計調査なんです。

厚生労働省もまめですね。

そして2年前の2016年、最新の調査が行われました。

さっそく、その結果を紹介していきます。



調査方法について

統計調査は薬剤師が提出している届け出票を元にして作られました。

調査項目は下の6項目。

①住所
②性別
③生年月日
④登録年月日
⑤役職の分類(被雇用者、経営者など)
⑥従事先(薬局、病院、企業などなど・・・)

まさに個人情報を洗いざらい調査したわけですね。

これで全国にいる薬剤師免許取得者がどこで何をしているのかが丸わかりということです!

自分の先輩方や知り合いの薬剤師の先生、大学の教授もみんな提出していると思うとなんだかおもしろいですよね!
それでは結果を見ていきましょう!

気になる薬剤師の人数は??

さて、気になる結果をご覧ください。

薬剤師の総数に注目。

その数なんと30万人!

そ、そんなにたくさん。。。

日本の人口が1億2千万人ですから。。。

人口の0.23%が薬剤師。

ん?

人口と比べると少ないんだ笑

ちょっとよくわからなかったので、よく見かける職種と比べてみました!!

警察官:29万3600人(警察官の体制、警視庁、平成25年)
銀行員:29万9400人(全国銀行財務諸表分析、平成29年)
タクシー運転手:27万5100人(タクシー運転者数と年齢構成の推移、平成27年)
医師:31万9400人(厚生労働省、医師調査の概況、平成28年)
看護師:114万9300人(厚生労働省、衛生行政報告例の概況、平成28年)

こうやってみると、薬剤師の人数は他の職種とだいたい一緒です。

警察官、銀行員、医師とほぼ同じくらいいるんですね。

街を歩けば交番がありますが、それと同じくらい薬局もあるので、言われてみれば確かに同じくらいなのかも。

薬剤師が際立って多いというわけではないです。

それより看護師の人数が114万人ってめっちゃ多い。。

こんなにたくさんの看護師さんがいたんですね。

薬剤師の勤務先は医療機関で働く人が多い?


統計結果を見ると分かりますが薬局で働いている人が多いです。

開設者、勤務者を合わせると17万人にのぼり、全体の半数以上を占めています。

薬局は普通の調剤薬局もあれば、チェーン薬局もありますけど、それでもかなりの人数がいますね。

上のグラフは薬局、医療機関で働いている人の年ごとの人数グラフです。

これを見ても年々薬局で働く薬剤師の人数が増えていることが分かりますね。

一方で病院で働く薬剤師さんはそんなに増えていないです。

薬学部→薬局

というコースが大半を占めていることが分かります。

実際、私が行った病院でも働いている薬剤師さんの数は80人くらいでした。

この人数は周りの病院と比べると多い方であり、一般的な病院薬剤師の人数はかなり少ないそうです。

薬剤師免許を使わずに企業就職する人


企業に就職する人は3万人前後で、全体の10%です。

これだけ薬剤師がいらない、もう必要ないって言われてるので、企業就職が人気になるのもうなづけます。

薬剤師の世間からの扱いはけっこう冷たいので、僕も企業に入りたいなって思ってますし。

製薬企業と一口に言っても、就職するにはけっこう大変です。

製薬企業の募集に対しては、薬学部以外にも工学部や理学部の生物系、化学系の学生が応募してきます。

彼らは、最先端の研究をしていることから薬学部に引けを取らないほどの研究をしています。

そのため、薬学部だからとって安心することはできず、しっかりと自分のアピールポイントを持っておかないと厳しい就活になります。

実際、先輩方の就職を見ていると、大変そうでした。

製薬企業で働く場合には3種類の就職先があります。

製薬企業の職種MR
開発職
研究職

MRの仕事


MRの仕事としては主に自社の製品を薬局や病院に売り込むことが大半です。

外回りをして、新薬の使い方や用法・用量の変更点などについて説明をしています。

人としゃべることがメインの仕事で、実験室にこもって何か作業をするということはないです。

とにかく人としゃべって、商品説明をして、信頼を勝ち取って自社のシェアを拡大するために働きます。

色んな人と交流しながら仕事をすることができるので、活動的な人にはぴったりな職種でしょう。

開発職の仕事


開発職の仕事は、新薬の臨床結果を分析することにあります。

新薬の種になる化合物をマウスや細胞に投与し、その結果をまとめ有意性が主張できるかどうかを考えます。

また、実験結果からどうすれば優位性が出て次のステップに進めるようになるかを研究チームと話し合い、さらに高度な新薬の開発を目指します。

データを解析し考察をする能力が問われる職種です。

フェーズがさらに進むと、新薬が病院に持ち込まれ、実際の患者さんを使った臨床試験になります。

ここでも開発職が関与しており、試験結果をまとめ有意性が出るかを見極めています。

細胞、マウス、患者の全てで新薬候補化合物が合格できれば、晴れて商品化です。

新薬が作られてから商品になるまでを、研究所、病院などを回りながら見守るお仕事です。

新薬開発の最前線で活躍できる職種でしょう。

研究職の仕事


製薬企業の職種でも最もなるのが難しいと言われているのが研究職。

研究職は新薬の元になる化合物を合成し臨床試験にあげていくのが主な仕事です。

世の中には存在しない全く新しい化合物を0から作るので、仮説を立て、実験し、考察するといった能力が欠かせません。

また、研究はチーム単位で行うため、チーム間でのコミュニケーション能力も重要になるでしょう。

チームのリーダーポジションになった場合には、チームメイトをうまくリードするリーダー力も必要になりますね。

このように求められる能力が非常に高いことから、薬学生の憧れ的な職種です。

製薬企業に入るならまずはここを目指していきたいですね。

薬剤師の人数は少ない、大学教員


大学教員の数は非常に少ないです。

表を見ると大学で働いている薬剤師さんは4523人、全体の1.5%だけです。

働いていると言っても、免許を持っているだけで薬剤師として働いているわけではないです。

私の大学で見ると、1研究室に教授、准教授、助教授の3人がいて、それがだいたい15研究室くらいありますので50人弱の教員がいる換算になりますね。

薬剤師全体からみるとめちゃくちゃ少ないんですね。

薬学部で教員になるためには、薬剤師免許を持っていることと博士号取得が必須条件であるため、人数が少なくなってしまうのもうなずけます。

昔は学部4年と博士課程3年でクリアできたのですが、現在では学部6年と博士課程4年もかかるので教員自体が増えないのも現状です。

まあ、10年も大学にいるのを考えると、長すぎますよね~
それはネックです。

ちなみに、2019年から大阪大学では薬学部が全て6年制になり、学部6年と博士課程4年の10年の育成プログラムが始まります。

詳しくは下の記事にまとめています。

「大阪大学の新しい6年制カリキュラムについてまとめ」

これによって、今より多くの学生が博士課程に進みやすくなり、教員の数も増えていくかもしれません。

薬剤師なのに無職の人

表を見てて一つ気になったことが。

「無職の者」

ん?なんだこれは。。。

無職の者ってどういうことなんですかね。

この調査をやった時点では無職だった人?

薬剤師だけど退職した人?

ただのフリーター?

全国に1万人の無職の薬剤師がいるってのも不思議な話。

きっと転職活動の真っ最中だったんですかね?

そこには謎が深まるばかりですが真相は分かりません。

まとめ

薬剤師の人数は確実に増加しており、薬局で働く人も増えています。

今後は薬局がどうなるか分かりません。

このまま行くのか。縮小傾向にあるのか。

将来について考えるきっかけになりそうなので、今回記事にしてまとめてみました。

みなさんもちょっとずつ考えてみては?