こんにちは、こんばんは!管理人のけいです。
前回は「ドラッグストア」に就職する場合について考えましたね。
さて、今回は「病院薬剤師」についてです。
病院薬剤師は病院に常駐し、チーム医療の一端を担う存在として活躍しています。
主に薬のスペシャリストとして、入院患者さんに対して薬の面からアプローチをしていきます。
医師や看護師にはない専門的な知識を持ち合わせていることから、かなり重宝されています。
病院へ就職する人は6年生卒業生の約25%です。
薬局に次いで2番目に多い数値になります。
病院薬剤師は薬局やドラッグストアに来る人たちよりも重症の患者さんが多く、自分の薬剤師としての知識を存分に発揮し、やりがいのある仕事になるでしょう。
まずは、その病院薬剤師の仕事から見ていきましょう。
病院での薬剤師の仕事

病院薬剤師の仕事は下の5種類が主に挙げられます。
②患者さんへの服薬指導
③処方箋を元にした調剤
④注射剤の調整
⑤点滴剤の無菌調整
回診
回診は文字の通りで患者さんの様子を確認するために、病室を回っていきます。
患者さんの状態を聞き、薬を使って体調に変化がないか、薬の飲み忘れがないかをチェックします。
薬剤師単独で回ることもあれば、医師と一緒になって回診することもあります。
日ごろから患者さんとのコミュニケーションを取ることによって、患者さんから薬剤師に対して信頼をしてもらい、治療が進みやすくなるようにしています。
患者さんが適切に薬を使ってくれないと体調が悪化しやすくなったり、回復が遅くなったりしてしまいますよね。
医師は手術ならできますが、薬についての知識は薬剤師には劣るので、薬に関することは責任を持って薬剤師が患者さんに働きかけます。
また、患者さんから意見や要望を聞くのも薬剤師の仕事です。
患者さんの中には直接医師に何かを言うのをためらう人がいるんです。
医師にはなぜか強く言えない人もけっこう多いです。
その間を取り持つのが薬剤師の仕事です。
薬が飲みにくいから変えてくれ
苦いから別のがいい
医師にこんなことを言っておいてくれ
などの要望があった時にはすぐに医師と相談して新しい薬に変えてくれるように交渉します。
患者さんと医療チームを上手に結ぶ架け橋になるのが薬剤師なのかもしれません。
患者さんへの服薬指導
続いて患者さんに対する服薬指導です。
服薬指導は薬局でもおなじみの仕事です。
患者さんの治療を行う上で処方した薬について説明し、使い方や用法、用量を患者さんに伝えます。
副作用についてもしっかりと伝えます。
この薬は○○の危険性があるのでそういう症状が出てきた場合には薬剤師や医師に相談してください
患者さんが間違った方法で薬を使わないようにする目的があります。
また、初めて入院した人に対してカルテを作成するために問診を行います。
薬局と同じように既往歴やアレルギーの有無、薬の副作用の経験、喫煙するか、飲酒するか、健康食品やサプリメントの使用の有無などを尋ねます。
この中でも薬の副作用歴は入院するときには重要です。
病院内では点滴をしたり、注射をすることが多いので、薬の相互作用については最新の注意を払っています。
処方箋を元にした調剤

こちらも薬剤師の基本的な仕事です。
病院内であっても処方箋がなければ医療用医薬品を患者さんに渡すことはできません。
調剤薬局と同じように、棚から薬を取ってきて患者さんが飲みやすいようにまとめます。
そして何週間分かをまとめて病室に出向き、お薬を渡します。
この時に患者さんの様子を尋ねます。
薬飲みにくくないですか?
体調悪くなってないですか?
私は1回だけ入院したことがあり、薬剤師さんが回診しに来てくれました。
その時もこんな感じで話しかけてくださいました。
注射剤の調整

薬局薬剤師にはなくて、病院薬剤師にはある仕事の代表例として注射剤の調整があります。
注射薬は静脈投与されることが多く、経口投与よりも作用が強く副作用の危険性も高まります。
そのため、注射剤を調整する際には細心の注意が必要になります。
患者さんに対して注射剤を使うということは、症状が急激に悪化した、今すぐに薬を高容量で投与する必要がある、といった緊急を要する場面であることが容易に想像できます。
そのため、薬剤師は患者さんの様子を元にして、患者さん1人1人に合わせた注射剤を1回分ずつ調整しています。
注射剤の調整は患者さんのファクターを考慮して作りまず。
年齢
体重
健康状態
食欲
全ての投与量や投与期間、投与速度などを細かく決めなくてはなりません。
注射剤は先ほども述べたように作用が強いですから、10倍量を間違えると最悪の場合患者さんが死んでしまうと言ったリスクも考えられるので、薬剤師の責任は重大です。
たまに、看護師が誤って10倍量の薬剤を投与してしまったというニュースが流れていますが、元をただすとしっかりと調整ができていなかった薬剤師の責任も十分に考えられます。
点滴の無菌調整

薬剤師は点滴の無菌調整も行っています。
この仕事は正確に言うと「注射薬混合調整業務」と呼びます。
複数の薬を生理食塩水などの点滴バッグに入れ、患者さんに点滴投与していきます。
こちらも血管に直接針を入れるので、飲み薬や貼り薬よりも強力な作用が出ることが考えられ、十分に気を遣わなくてはなりません。
また、血管内に入れるものなので衛生面にも十分に気を配る必要があり、クリーンベンチなどの無菌状態の場所で混合作業を行っています。
病院薬剤師の気になる収入は?

さて、気になるのが収入ですよね。
調剤薬局やドラッグストアの仕事と比べると、非常に高度です。
ドラッグストアや薬局で無菌調剤をやっているところはほとんどありません。
病院薬剤師の仕事は高度な上に、ある程度の責任がのしかかります。
それ相応の給料が出ているのでは?
と期待できますね。
しかし、、、、
現実はやはり厳しいもの。
病院薬剤師の給料は下のようになります。
平均年収:400~600万円
薬剤部長クラス:800万円
新卒で300万前後なんですね。。。。
調剤薬局やドラッグストアは新卒でも300万後半から400万を超えるところがけっこうあったんですけど。
病院薬剤師はそれに比べて少し低いような。
どこの求人サイトを探しても、似た値しか出てこなかったのでやはり、病院薬剤師は給料が低くなるようです。
仕事の内容が多く、求められる知識もハイレベル、おまけに責任は重大、にも関わらずこの給料の安さはいったい。。。
ちょっときついですよね。
実際、病院に就職された先輩に聞いてみたところ、この噂は本当なようです。
病院は残業多いし、夜勤だってあるし、報告書は山積みだし、回診は行かないとだし、もう大変だよ
先輩は病院に勤務し始めて2年目でしたが、非常に大変な様子でした。
個人的な感想

病院薬剤師は激務な割に、どうしても給料が安いという問題点があることが分かってきました。
仕事に追われ、毎日大変な思いをすることが予想できます。
しかし、やりがいは間違いなくあります。
自分の薬学的知識が大きく役に立ちますし、患者さんとより近い距離で関わるので薬剤師としての責任感も身に着くと思います。
また、病院薬剤師は今後のチーム医療を支えていく上で、医師、看護師とタッグを組み中心となって治療計画を進めて行かなくてはなりません。
医師、看護師以外にも、作業療法士、臨床検査技師、ケアマネジャーなど様々な医療スタッフとかかわりながら患者さんをバックアップしていきます。
今後はチーム医療の重要性がさらに増すことが容易に考えられますので、さらに病院薬剤師の存在は重要だと思います。
私の中でも非常に悩むところです。
薬剤師として大いに活躍できる場ですが、どうしても給料の低さに目が行ってしまいます。
現段階では給料がネックになり、病院薬剤師に就職することは決めかねます。
しかし、今後の病院実習で何かしらのきっかけがあれば、就職も視野に入れていいと考えています。
まとめ

さて、病院薬剤師の仕事について見てきました。
かなり多種多様な仕事を任されているということが分かり、改めて病院薬剤師の重要性を再確認できました。
今後は高齢者が増えるにつれさらにチーム医療が必要になり、薬のスペシャリストとして薬剤師が必要不可欠になるはずです。
一方で、仕事の重要性と責任に対しての給料が少し低いと感じます。
調剤薬局やドラッグストアよりも大変なのに、給料は3つの中で最も低いというのは何とも腑に落ちない現状です。