ドラッグストアへの就職は?仕事や収入について検証してみた結果

前回は「調剤薬局」への就職について考えましたが今回は「ドラッグストア」について考えてみたいと思います。

ドラッグストアと聞いて皆さんは何を想像しますか?

大半の人がマツモトキヨシやダイコクドラッグ、ウェルシア薬局などを想像するでしょう。

よく駅前とか商店街で見かけると思います。

ドラッグストアへの就職率は全体の9.2%であり、調剤薬局、病院に次いで3番目に多い就職先です。

では実際にどんなお仕事をしているのでしょうか。




ドラッグストアの仕事

ドラッグストアのお仕事は調剤薬局のお仕事とは少し異なります。

調剤薬局で扱う薬は医療用医薬品がほとんどで、一般医薬品を少し置いておく程度です。
 
一方、ドラッグストアでは医療用医薬品に加えて、一般医薬品があります。

一般用医薬品とはOTC(Over The Counter)とも呼ばれ、医師の処方箋なし購入することができる薬です。
 
ドラッグストアにはOTC医薬品の他に、シャンプーや日焼け止め、保湿クリーム、かゆみ止めなどありとあらゆる商品を揃えています。

実際ドラッグストアに行ってみればわかると思いますが、所狭しと商品が陳列されていますよね。
 
ドラッグストアと調剤薬局では扱っている商品のラインナップが異なると覚えておきましょう。

それではもっと具体的にドラッグストアの薬剤師は何をしているのかを見ていきましょう。

お客さんへの対応

ドラッグストアの薬剤師さんは日常生活で使える薬について質問されることが多いそうです。

どの風邪薬が一番早く効くの?

2日酔いに効いて眠くならない薬ない?
あとできるだけ医者には行きたくないからこの店で探したい

薬剤師がOTC薬の有効成分をきちっと理解していれば、上の様な質問や要望にもしっかりと応えられますよね。

この風邪薬Aはゆっくり聞くタイプですから、Bをお勧めしますよ

と自信を持って言ってあげればお客さんも安心して購入できるでしょう。

調剤業務

最近では調剤室を持っているドラッグストアが増えており、薬剤師が調剤薬局と同じように処方箋を受け付けて薬を渡していることがあります。

一般的な調剤薬局は、門前薬局と言って特定の医院からの処方箋が異常に多くなるという偏りがあります。
 
しかし、政府の人々は門前薬局よりも面前薬局が増えてほしいと考えているようで、その薬局体系の在り方を変えていくカギになるのがドラッグストアです。

ドラッグストアが近隣以外の医院から処方箋を受け付けるようになると、門前薬局の率が下がり、医薬分業も進んでいきます。

ドラッグストアに就職したら、一般医薬品の説明と調剤業務を両方やることを覚えておきましょう。

医療機関への受診をすすめる

ドラッグストアに置いてある薬は処方箋が必要なく、手軽に購入できる商品です。

風邪や鼻づまり、咳といった一般的な症状であれば、医者に行って風邪薬を処方してもらわなくても、OTC薬で十分対応できます。
 
しかし、一方で糖尿病や高血圧、高尿酸血症といった病気を治療するためのOTC薬はありません。

こういう薬を探しているお客さんが来たときには積極的に医療機関の受診をすすめます。
 
ドラッグストアで改善の見込みがある病気はある程度限られているので、その限度を超えた人が来た場合には医者に行くように勧めることもドラッグストアの薬剤師の役目です。

店の売り上げは落ちてしまいますが、何よりも患者さんの体調の方が大事ですから、医療人としての自覚を持って対応しなければなりません。

商品整理やレジ打ち

こんなことも?と思うかもしれませんが、ドラッグストアで人が足りてないときには薬剤師もやらなくてはなりません。

何となくですが、せっかく薬剤師免許を持っているのに、パートやバイトと同じ内容の仕事をやるって何とも言えない気持ちになりませんかね?
 
あれ、薬剤師免許が活かされてないな、って感じで。

実際、ドラッグストアでバイトをしていた薬学部の友達が言っていました。

なんで俺がレジ打ちしてるんだろ?
パートの人と同じってなんかつらい・・・

これがドラッグストアで働く、薬剤師の本音なのかもしれません。



ドラッグストアのお給料はどれくらい?

ドラッグストアで働いたらいくらもらえるのか

結論からすると、薬局や病院よりも給料は良い、と言うことです。
 
実際のところ、平均的に400万円から650万円で、その後800万円近くまで上がるようです。

薬局の平均が400から600万円で700万円くらいまで上がることを考えると、少しドラッグストアの方が給料は良いようですね。
 

しかし、疑問が1つ出てきます。

薬局とやっていることはほとんど変わらないし、
薬を患者さんに渡しているのに、なぜ差が出るの?

 
これは単純なことで、ドラッグストアの方が労働時間が長くなっているからです。

基本的に8時間労働で仕事は終わりますが、ドラッグストアの場合には残業を課せられることが増えます。
 
また、24時間営業ドラッグストアが増え、夜勤で薬剤師が働くため、もらえる給料自体も増えているようです。

知り合いのドラッグストアで働く人に聞いてみると、

仕事内容は楽なんだけど残業が多いのがちょっと

と言っていました。

薬局もドラッグストアも大変なんですね。

ドラッグストアの企業別売上ランキング

ドラッグストアってかなりの種類がありますよね。

街の商店街を歩けば何かしらのドラッグストアが見つかるでしょう。
 
もし、あなたが就職しようとしたとき何を基準に選びますか?

労働環境ももちろん大事ですが、やっぱりその薬局はどれくらい売り上げがあるのかって気になりませんか?

売り上げがあれば自然と給料も良くなりそうですし。
 
ランキングはこちら。
ドラッグマガジン2017年7月号を参照しています。

順位 株式会社名(薬局名) 売り上げ(億円)
1 ウェルシアホールディングス(ウェルシア薬局) 6232
2 ツルハホールディングス(ツルハドラッグ) 5723
3 マツモトキヨシホールディングス(マツモトキヨシ) 5328
4 サンドラッグ 5284
5 コスモス薬品(コスモス薬局) 4900
6 スギホールディングス(スギ薬局) 4301
7 ココカラファイン 3748
8 カワチ薬品(カワチ薬局) 2664
9 イオンリテール、(イオン薬局) 2370
10 クリエイトSDホールディングス(ドラッグストア クリエイト) 2301

ウェルシアの売り上げはかなり多いようですね。

ウェルシアで働いている薬剤師さんがいましたが、かなり給料が良いと言っていました。
 
最近はお金に困ったことがないようです。

羨ましい、、、

個人的な意見

ドラッグストアに就職する選択肢は実に難しいです。

「給料がいい」という面を考えると非常に魅力的でした。

病院薬剤師と比べても、仕事内容と給料を比較した時に、ドラッグストアの方がいいと思います。

しかし、果たして給料面だけを見て選んでいいのでしょうか?

6年間の薬学部生活を終えて、就職するときに給料だけを考えるのは、何となく違う気がします。

お金のために、勉強してきたんじゃない!
患者さんのために勉強してきた!

私はそう思います。

お金だけを考えるのはもったいないです。
 
一方で、ドラッグストアには調剤薬局よりもたくさんの人が来ますよね。

処方箋を持った人以外にも、軽い症状の人や、健康な人も来ます。
 
つまり、より多くの人と接する機会があり、より多くの人に貢献できるのです。

やりがいを感じる瞬間かもしれません。

ドラッグストアの給料面を考えるのではなく、自分なりのやりがいを見つけられるのであれば、就職先としてベストだと思います。

まとめ

さて、ドラッグストアの気になる年収や仕事内容は分かっていただけましたか?

ドラッグストアは最近になって急速に増えてきていますし、今後も私たちの生活になくてはならない存在になっていくでしょう。
 

しかし、ドラッグストアに「給料がいいから」という理由で就職するのは疑問です。

あなたの6年間は給料のためにやってきたのか?と思ってしまいます。
 
ドラッグストアには患者さん以外にもたくさんの人が来ます。

その人たちに健康管理の面から情報提供を行い、貢献できると考えればやりがいはあります。

 
給料面以外にドラッグストアに就職するべき理由について考えてみてください。

最後まで読んでいただきありがとうございました。