富山の薬売りの話をご存知ですか?
富山の薬売りは、薬が手に入りにくい地方にある民家を周り、薬を家庭に配ります。
そして、1年間薬を置いておき、使った分の薬の代金を払う仕組みです。
富山の置き薬は正式には「家庭配置薬」といいます。
その歴史は古く、伝説では約300年前に始まったと言われています。
江戸時代の1750年ごろから配置薬の分化が始まり、全国的に広がっていったそうです。
このころ、農業技術が飛躍的に進歩したことから、米の生産高が伸びました。
農村でも米の取れ高から薬を買う余裕が出てきたからではないかという説もあります。
今で考えれば、痛み止め、胃薬、便秘の薬などが置かれていたんですかね。
江戸時代から昭和20年ごろまでは和漢薬の製剤が多く、富山の薬が全国のセルフメディケーションに大きく貢献していたんですかね。
薬を届けるだけではなく、病気や衛生管理に関する情報も届けていたみたいです。
現在では薬局が普及していますので、家庭配置薬のありがたみは減ってきてしまっていますね。
それでも年間売り上げは400億円を超えるみたいですけど。