今回は阪大の英語の問題傾向と勉強方法について紹介します。
阪大の英語はどんな感じ?
阪大の英語は難しい?
どんな勉強をすればいい?
色んな不安があると思います。
そこで、今回は阪大に合格することができた私が、阪大英語の特徴と勉強方法を紹介します。
阪大英語は難しいです。
しかし、しっかりと対策をすることで、あなたも解けるようになります。
まずは一歩一歩力をつけていきましょう。
目次
英語の概要
阪大の英語は英文和訳、長文読解、自由英作、長文英訳の4種類が出題されます。
まさに英語の総合的な力が試される試験と言っていいでしょう。
普通の勉強だけですと対応しきれない問題が多くあります。
対策に時間がかかるのでじっくりとやっていきましょう。
英文和訳

英文和訳はかなり難しいです。
30~40ワードの英文を和訳しなければならず、出てくる構文や文法もレベルが高いものが多いです。
流す感じで読んでもなかなか頭に入ってきません。
しっかりと構文を見極め、一語一語を分析していくつもりで読む必要があります。
また、全ての構文が分かったとしてもできるだけ自然な日本語にしなくてはならないことから、長期的な練習が必要になります。
例えば下の英文を見てください。
「Silent behavior occurs in all societies, although its message varies both between and within different groups.」
この文章は2011年の阪大の英語の入試に出てきた英文の一部です。
上の英文が英文和訳として出てきた場合には、最初に大まかな意味をとらえるために直訳でいいので読んでみましょう。
そうすると、「Silent behavior occurs in all societies」は「沈黙という行為は全ての社会で起こる」とできます。
「behavior」の直訳は「行為」ですが「行動」とするとより自然な日本語になりますよね。
そして、後ろの「although its message varies both between and within different groups」を和訳していきましょう。
「its message」は「沈黙という行動が示すメッセージ」ということですね。
「varies」とあるので「異なっている」ということが分かります。
この単語は意外と難しい単語なので覚えておくといいでしょう。
続いて、副詞句の「both between and within different groups」を訳すと「異なる集団間や集団内の両方において」とできます。
「between」と「within」の違いを自分は分かっているぞとアピールするためにも「集団間」、「集団内」とするといいですね。
最終的に、全体を直接和訳すると「沈黙という行動は全ての社会で起こる、沈黙という行動が示すメッセージは異なる集団間や集団内の両方において異なっている」になります。
もちろん、これでも間違えではないのですが、阪大では自然な和訳が求められますのでalthough節を自然につなげると「沈黙という行動が持つ意味は集団間や集団内の両方において異なる意味を有するが、それは全ての社会的集団の中で起こる」となります。
このように非常に大変です。
やることを下にまとめます。
- 英単語の意味が分かる
- 英文の直訳ができる
- 自然な和訳ができる
しかもこれを限られた時間内にスラスラとできなくてはなりません。
しっかりとしたトレーニングが必要になります。
経験がものをいうので、たくさんの英文を自然に和訳できるように練習を積みましょう。
また、英語の先生に添削を頼むと自分の和訳の特徴が見え、改善点が見えやすくなるのでおすすめです。
私は英語の先生にお願いして添削を見てもらっていました。
長文読解
長文読解は600から700ワードの長文を読み、8題ほどの設問に答えます。
内容としては一文を和訳したり、日本語に合うように英作文を作ったり、適切な動詞や副詞を選んだりします。
解いていた感触ですが、4つのセクションの中で最も解きやすい問題になっています。
受験生のほとんどが正解を稼ぐ場所なので、いかに点数を落とさないかが勝負です。
逆に点数が伸びないと、他のセクションで点数差を縮めなくてはならず非常に不利な戦いになってしまいます。
主な勉強法としては文章読解問題集が適切です。
最初は短いワード数から練習を始めましょう。
300ワードから400ワードが適切です。
その後、600~700、900~1000ワードへとランクアップさせていきましょう。
私は「やっておきたい英語長文700、河合塾」を使っていました。
この問題集は実際の阪大の問題形式に近く、英文を読んで設問に答えるという問題が掲載されています。

最初は時間がオーバーしてしまうこともあると思います。
まずは解ききることを目標としながら自分の読解力を鍛えてください。
慣れてきたら時間を計りながら、問題形式に慣れましょう。
自由英作文
自由英作文は非常に難しい問題です。
自分の意見を英語で述べるので、通常の英語に加えてプラスアルファの力が必要になります。
また、自由英作文形式の問題を出す大学が少ないので個別の練習が必要です。
問題の例を挙げます。
- 電子書籍が出回っているが、あなたは紙の本と、電子書籍はどっちがいいか
- 今までの人生で最も誇れることをのべよ
- あなたは犬派かネコ派か
などがあります。
このようなお題に対して70~100ワードで自分の意見を述べよ、という問題です。
好きなように書けるので簡単そうかなと思うかもしれないのですが、自分で英文を0から作ることになるので、難易度は上がります。
- 何から書き出せばいいのか?
- 最終的にどういう結論にすればいいのか?
などを瞬時に決めて書き出さなくてはなりません。
もちろん時間をかければ何となくできてくることもあるでしょう。
しかし、本番では時間制限があることから相当な練習を積む必要があります。
おおまかな流れとしては、お題に従って自分の意見を述べ、その主張に対する論拠を述べます。
例えば「あなたは犬派かネコ派か」の問題を例にとって考えてみましょう。
最初に主張を決めるということは「犬がいい」「猫の方がいい」ということですね。
そしてこの主張に対する理由を挙げていきます。
では「犬がいい」ということを主張したとしましょう。
この主張を支持する論拠として「犬はとても愛嬌がある」「犬は主人に対して従順である」などです。
また、猫を支持しない理由も根拠になりますね。
例えば「猫はなつかないこともある」「気まぐれで飼うのが難しい」などがあります。
以上のことをまとめたら次に英語に直していきます。
この作業がなかなか難しいです。
先生にお題を出してもらい、それに対して自分が自由英作文を書き、それを添削してもらいました。
もちろん最初は赤ばっかりで、構成がまるで駄目でした。英語も稚拙でしたし思うようにできるようにならないこともありました。
添削の他にも「大学入試英作文ハイパートレーニング 自由英作文編」を使い、一度解いてから解答を見ながら勉強していました。

この問題集はけっこう役に立ちました。
良いところをまとめておきますね。
- 解説が丁寧
- レベルが高くて勉強になる
- 阪大の問題形式に近い
解説が丁寧
やはり解説が丁寧なのが嬉しいです。
問題の厚さと、解説の厚さを比べると、解説の方が2倍くらいあります。
自由英作文の答えは1つではなく、人によって書き方が変わってきます。
同じ内容の主張をしようとしても、表現の方法はたくさんありますよね。
そのときに、答えに関する解説が少ないと不十分です。
解説が多く、別解や類似表現方法を示してくれていたので、1問やるだけでかなりの量を勉強することができました。
レベルが高くて勉強になる
この問題集に用意されている、自由英作文は難しい物が多かったです。
自由英作文を英語で出題する大学がそもそもハイレベルなところばかりです。
東京大学や京都大学、地方国公立や医学部など名だたる大学が出題しています。
1問1問丁寧に解いていくことで、ハイレベルな問題に効率的に触れることができるので、学力もどんどん伸びていきます。
中には阪大の形式と異なる問題もあるので、自分で選びながら進めて行ってください。
阪大の問題形式に近い
阪大形式の自由英作文問題は、専用の自由英作文問題集を使わないと練習できません。
阪大の過去問を解くのもいいのですが、できることなら初見で通しで解くように残しておきたいものです。
そう考えると、阪大形式の問題を探しておく必要があります。
" rel="noopener" target="_blank">「大学入試英作文ハイパートレーニング 」は、阪大以外の自由英作文問題に触れることができるので、かなりよかったです。
自由英作文の力をつけるには、非常に時間がかかります。
私の場合は浪人が始まってすぐ始めて、12月くらいまでかかりました。
英単語、英語構文を知っているのは当たり前で、それをいかに組み合わせて正しい英文を作るか
これがかなり重要です。
一歩一歩確実な力を身につけていきましょう。
和文英訳
最後の難関が和文英訳です。
英文和訳を出題する大学は多いですが、和文英訳を出してくる大学は非常に少ないです。
その中でも阪大の長文英訳はかなり難しいです。
阪大の和文英訳問題の特徴を挙げます。
- 阪大の和文英訳の特徴出題される文章が自然な日本語で書かれている
- すぐに構文が出てこないような日本語が多い
- 文章が長い
1つずつ説明していきます。
出題される文章が自然な日本語で書かれている
まず始めに、出題される日本語文が自然な日本語なんです。
自然な日本語というのは、小説に出てくる1文のような感じです。
例文を出しますね。
朝目覚めると小鳥のさえずりが聞こえ、私はガバっと起きコーヒーを淹れテレビをつけた
小説の冒頭で出てきそうな文ですよね。
これを英語に訳していきます。
「ガバッと起き上がると」っていう部分何て訳しますか?
「ガバッと」って難しいですよね。
直接英語に直せないような日本語を英語に変換していくのが、阪大英語の特徴です。
連想ゲームをして、どんどん言い換えてみましょう。
↓
「すばやく」「機敏に」
↓
「quickly」
こんな感じです。
連想していくと「すばやく」と言い換えることができます。
そうすると、「ガバッと起きて」の部分は「got up quickly」になります。
他にも訳しにくい日本語を挙げておきます。
- ふと振り返ると~
- 残念でしょうがない
- しょげてしまった
どれも、少し考えないと英語に直せないですよね。
ナチュラルな日本語を英語に直すのは、非常に難しいので言い換えの練習をしていきましょう。
すぐに構文が出てこないような日本語が多い
2つ目の特徴は、すぐに英語に直せないような日本語文が出てくることです。
「~するとすぐに、~するやいなや」はどうやって英語に直しますか?
「as soon as~」ですよね。
この変換ならすぐに分かると思います。
しかし、阪大の英語だと「~した直後」「~していきなり」「~した瞬間に」といった感じでアレンジが加えられています。
例文を出します。
男が銃を構えた瞬間に、私はドアに隠れた
「瞬間に~」を連想して「as soon as」までつなげていくことが必要です。
自分の知っている構文につなげないと、正解までたどり着くことができません。
言い換えの練習と、構文をたくさん知っていることが大切です。
文章が長い
最後の特徴として、文章が長いです。
和文が2文~4文続き、それを全て英語に直さなくてはなりません。
1文だけで終わらないのが、難しいポイントです。
それぞれの和文が難しいので、1文1文丁寧に英訳していきましょう。
しかし、じっくり時間をかけてしまうと他の問題を解く時間がなくなってくるので注意です。
和文英訳は自由英作文と並んで難しい問題です。
日本語のニュアンスを適切に英語に直せるようになるには時間がかかります。
早めに対策を始めて、苦手を克服していきましょう。
まとめ

阪大の英語について紹介していきました。
阪大の英語は非常にシンプルですが、どの問題もレベルが高く簡単には解けません。
しっかりと解けるようになるまで、各セクションごとの勉強が必要になります。
道のりは険しいですが一歩一歩自分の力を積み重ねていきましょう。