脂質異常症の基本知識、これだけは知っておこう

身近な生活習慣病の一つである脂質異常症は、最近テレビや雑誌などで頻繁に取り上げられる単語になってきました。

皆さんも何回か耳にしたことがあると思います。

しかし、細かい部分の知識を持っている人は少ないのではないでしょうか。

今回は脂質異常症の概要と、すぐに始められる食事面からの対処法を紹介していきます。

脂質異常症ってどんな状態?

脂質異常症の状態を簡単に言うと、コレステロール濃度や中性脂肪量が基準よりも多い状態のことを言います。

脂質異常症は下に示す診断基準に基づいて診断されます。

診断基準

LDLコレステロール:140mg/dL以上
HDLコレステロール:40mg/dL未満
トリグリセライド(中性脂肪):150mg/dL以上

これらの基準に1つでも当てはまってしまうと脂質異常症として診断されます。

ここでLDLやHDL、トリグリセライドなど見慣れない単語が出てきましたので説明しておきます。

私たちの体内でコレステロールは非常に重要な物質の一つです。

コレステロールに対して悪いイメージを持っている人も多いかもしれませんが、適切な量であれば必須物質です。

コレステロールは、十二指腸から分泌される胆汁の主要な構成成分であり、また女性ホルモン、男性ホルモンの原料となる物質です。

胆汁が作られなければ消化が進みませんし、女性ホルモンや男性ホルモンがなければ、生殖器の発達や、身体の成長が遅れてしまいます。

https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-012.html

このことから、コレステロールは各組織で必要になり、分配されなければなりません。
ここで重要になるのが先ほど出てきたトリグリセリドとLDLになります。

トリグリセリドとコレステロールが肝臓内で混合され、血液に乗ります。

肝臓から出発した物質をVLDLと呼び、トリグリセリドを車のガソリンのように使い、各部位にコレステロールを運搬しながらLDLに変化していきます。

また、各組織で使われなかったコレステロールを回収するのがHDLになります。

つまり、各物質が適正な量であれば非常に身体にとって役に立つことが分かります。
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/metabolic/ym-072.html
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/metabolic/ym-071.html

脂質異常症の原因

では、なぜ基準の値から外れてしまうのでしょうか。

その理由として遺伝的問題と、生活習慣的原因があります。

遺伝的理由は、父親、母親から受け継いで遺伝子に変異があり、生まれつきLDL濃度が非常に高かったり、必要な遺伝子が欠損していたり様々なことがあげられます。

その一方で生活習慣的要因もあり、こちらの原因による患者数の方が多くなっています。
生活習慣的理由として、アルコールの多飲、バランスの悪い食事、カロリーの摂り過ぎなどの食習慣の乱れと運動不足などがあげられます。

人間は食事をすると、炭水化物や糖類は消化されトリグリセリドに変換されます。
トリグリセリドは各組織に貯蓄され、空腹時のエネルギー源となりますが、不要な分は脂肪として蓄えられます。

また、糖の摂取量が多い場合には血糖が必然的に高くなります。体内に吸収されエネルギーに変換されれば問題はないのですが、エネルギーに変換されない糖が余ると、血糖が増加し、糖尿病に近い体質になります。
糖尿病の様な体質なると体内のインスリン抵抗性が増加してしまい、インスリンが体内で働きにくくなる状態になります。

インスリンはLDLを活性化させ、HDLを合成する働きがありますが、インスリン作用が弱くなると、LDLが血管に滞留し、HDLの量が減少してしまいます。

どんな症状が出るの?

上の項目にある2つの理由から血管にコレステロールが沈着しやすくなってしまいます。

コレステロールは血管に沈着するとプラークと呼ばれる腫物を形成し、血管を硬くし傷つきやすくします。

これが動脈硬化と呼ばれ、プラークからの出血が多発し、血栓と呼ばれるかさぶたができます。

血栓によって血管が狭くなるため息が苦しくなる狭心症、血栓が脳血管に詰まる脳梗塞、心臓の血管に詰まる心筋梗塞が発生します。

これらの疾患は前兆が分かりにくいことから深刻な病の一つです。

脂質異常症による合併症心筋梗塞
脳梗塞
血栓症
狭心症

食事から改善できる脂質異常症

ではどのような対策をするべきでしょうか。
大きな原因としては食生活の乱れでしたね。まず初めに食事を見直してみましょう。

カロリーオーバーの食事をしない

一般成人の適正なカロリー摂取量は1800 kcal~2200 kcalです。

この範囲に入るように3食きちんと食べることが最も大事なことです。

朝飯を抜いて昼飯をたくさん食べると、1回の食事で大きく血糖が上昇するため、結果的にトリグリセリドが多く生産されるので、適切に朝昼晩のご飯を食べましょう。

食事内容にも注意

カロリーを守っているといっても、何を食べるかについても気を配る必要があります。

一般的に炭水化物よりも、脂肪の方がカロリーが高く、中性脂肪の増加につながります。

野菜をたくさん摂る

野菜にはたくさんの食物繊維が含まれており、食後の脂質の体内吸収を送らせてくれます。これにより、脂質が体にたまりにくくなる効果が得られます。

メインの炭水化物や脂質分を食べる前に野菜を取ることをお勧めします。
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-016.html

果物は野菜の代わりにならない

果物は糖分が意外にもたくさん含まれています。

野菜の代わりに果物を食べても血糖を増やすことになり、脂質異常症の解決にはなりません。

果物を食べているから大丈夫というのは間違いです。

まとめ

さて、脂質異常症についてなんとなくわかっていただけたでしょうか。
少し、難しい単語が出てきていますので、もしわからない場合には、ネットで調べてみてください。
脂質異常症は誰にでも起こりうる疾患であり、日ごろの食生活に少し気を配ってみましょう。
また、運動によっても血糖や脂質の消費を促進しますのでお勧めできます。

無理のない範囲で食事を見直してみて、楽しい生活を送りたいですね。