薬学生実習ではいったいどんなことやるのかあなたは知っていますか?
ネットで調べてみたけれど、、、あまり出てこない!!結局分からない!
そこで今回は病院実習を終えた私が、具体的な体験談を話していきます!
今回のお題は「チーム医療」です。
チーム医療を実際に体験することができた貴重な体験でした!
目次
NSTに参加できた貴重な体験

私が体験できたチーム医療体験は「NST」です!
NSTって言葉、聞いたことない人もいると思うので簡単に説明しておきますね!
NSTとは。。。
Support:サポート
Team:チーム
の略です。
栄養状態は、腫瘍や疾患、感染、炎症などの状態や免疫機能と共に体の全身状態を司る一つの要因です。
栄養管理を患者さんの疾患や治療状況に合わせて適切に実施していくことを栄養サポート(Nutrition Support)といいます。
これらの栄養管理には医師、薬剤師、看護師、栄養士といった多職種が参加して一つのチームを形成しています。
現在までに多くの病院においてNSTが設置されており、栄養管理を医学的根拠から基づいてやっていこうという流れができているのです。
医師、薬剤師、看護師、栄養士が参加
NSTでの薬剤師の役割
今回、私は薬剤師の立場としてNSTに参加しました。
薬剤師の先生に同行し、NSTのカンファレンスから実際の病棟業務にまでお邪魔することができました。
まずは、NSTにおける薬剤師の役割についてまとめていきます。
薬剤師は薬のプロとしての信頼がある
薬剤師は病院内で「薬のプロ」として信頼されています。
薬剤師は私が思っていた以上に現場で信頼されていました。
薬剤師は病院内で信頼されていない
実際の現場ではそんなことなかったんです。
カンファレンス中に、薬について疑問点があるとすぐに薬剤師に質問が飛んできます。
「この人の服用薬はどんな副作用があったっけ?」
「この薬と併用禁忌の点滴とかってある?」
「他に良い薬はないかな?」
本当に色んな質問がありました。
もちろん、医師や看護師も薬については勉強していますが、薬剤師の知識の方がやはり確実です。
薬剤師は非常に信頼されているのがわかりました。
私が帯同した薬剤師の先生は質問に対して、全く動じることなくスラスラと答えていました!
めっちゃかっこよかったです!
点滴についての知識も必要
術後に、口からご飯を食べれない場合、どうやって栄養を補給するかを考えたことはありますか?
正直、健康な生活を送れている私たちからすると口からご飯を食べる以外に選択肢すらないと思ってしまいます。
しかし、実際に口からご飯を食べることができない人がいるんです。
消化管の手術によって消化ができない
消化酵素が出ていないので固形物が食べれない
こういった患者さんが実際にいるんです。
口から食べることができないとき、何かしらカロリーを取らなくてはなりません。
こういった患者さんのために使われるのが点滴です。
点滴には非常にたくさんの種類があり、薬剤師が管理しなくてはなりません。

ちなみに点滴の数はこんなにたくさん。
しかもこれほんの一部なんです。
やっぱ薬剤師って大変なんです。
栄養剤に関する知識も求められる
薬剤師に求められる知識として、薬、点滴以外にもまだまだあるんです。
それが栄養剤の知識。
栄養剤??と思った人もいると思います。
栄養剤はカロリーをまとめて摂ることができる半固形の食事の代わりになるものです。
いったい誰が使うのか?
それは、
食事はまだ摂れない人
咀嚼ができない人
食事で摂れない分のカロリーを補う人
こういった人が半固形の栄養剤を使います。
手術後の回復期では食事を摂るまでに時間がかかります。
しかし、ずっと点滴をしていても、小腸、大腸などの消化管を使っていないとなかなか状態が回復していきません。
そのため、飲みこみやすく消化管によって消化される半固形の飲み物が使用されます。
エンシュアリキッドなどがその例ですね。
薬でも点滴でもない半固形の飲み物の知識まで必要なので病院薬剤師は大変だなとかんじました。
薬学生の私がやったこと

次に、私が実際にNSTに参加してやったことを紹介していきますね。
NSTに参加するのも初めてでしたのでかなり刺激的でした。
NSTは1週間に1日のペースで2日分参加しました。
2日間と言っても、かなり濃い内容のスケジュールだったので、参加できて本当によかったです。
NST実習のスケジュール
簡単に実習のスケジュールを紹介していおきます。
基本的に午前中だけで業務は終わります。
10時:回診開始全病棟をメンバー全員で周る
12時半:フィードバック、情報共有
これだけ見ると楽そう、と思ってしまいそうですが、実際はけっこう大変でした。。。
1つ1つについて紹介しますね。
カンファレンスに参加
1つ目はNSTのカンファレンスに参加しました。
カンファレンスに参加ってめっちゃかっこよくないですか?
それだけでテンション上がってました笑
NSTは病棟に回診に行く前に、担当の患者さんについての病態を共有します。
「Bさんは初めてNSTが担当する人です」
「Cさんは食事指導の必要があります」
医師、看護師、薬剤師がどんどん発言して、1人ずつ患者さんの情報が共有されていきます。
特に学生が発言するタイミングはありませんが、聞いているだけでもかなり勉強になりましたね。
ちなみにカンファレンスの時の私は下の位置にいました。
医:医師
看:看護師
栄:栄養士
Stu:同期の薬学生
いや、めちゃくちゃ医師と近い笑
かなり緊張しましたね。
ひたすら、メモをしていました。
わからない単語が多かったのでやっぱり理解するのも一苦労です。
病院内の回診に同行
NSTで病院内の担当患者さんを回診します。
今回の実習では薬学部生もついていっていいということなので、めちゃくちゃいい機会でした!!!
まずは、担当の病棟に行って、患者さんを担当している医師と会話をします。
具体的な治療方針や、患者さんの近況、状態について話します。
事前カンファレンスで決めた栄養管理計画を伝えます。
そして、担当医師とNSTチームで最終的な栄養管理方針を決めて、実際に患者さんに会いに行きました。
患者さんと実際に会い、最近の状態や食事状態を確認します。
患者さんによっては元気そうな方もいましたが、逆にしゃべるのもしんどそうな人もいたんです。
薬学生としてしんどそうな方に会うのは心苦しく、何もできない自分の無力さを感じました。
1回のNST回診で20人ほどの患者さんのとこに行くので、大仕事でしたね。
だいたい9時からカンファレンスが始まり、全てが終わるのが12時過ぎです。
けっこう大変。
薬学生の私が直接患者さんと話す機会はありませんでしたが、医師、薬剤師の会話を生で聞いたり、患者さんとのやりとりをまじかで見ることができました。
回診後のミーティングにも参加
全ての患者さんのところに回った後には、再びNST全体で話し合いが行われます。
患者さんと話して聞き取った情報を全員で共有して、来週の栄養管理に活かしていきます。
また、医師、薬剤師、看護師、栄養士のそれぞれが疑問に思ったこと、確認したいことを話し合っていました。
回診後のフィードバックをすることによって、より質の高い栄養管理ができると思います。
この時間には、薬学生の私にも質問されました!!
「何か疑問に思ったことある??」
かなりざっくりした質問でしたが、なんとかひねり出しました。
私は、NSTが介入することによってどれくら患者さんの役に立っているのか気になっていたので、それについて質問をぶつけてみたんです。
「NSTが介入することによって、どれくらいの人が普通の栄養状態に戻っていくのですか?」
この質問に対して医師の方が答えてくれました。
NSTの介入によってかなり多くの人が回復して、ぴんぴんして退院できるようになる人もいるくらい。もちろん、何人かは変わらなかったり、悪化したりする人もいるが、8割がたは回復方向に向かって、NSTの介入が不必要になる人もこれまでに何人もいた
NSTによって、多くの患者さんが回復していっていることが分かりました!
NSTは患者さんにとって大きく貢献していていたんです。
NSTに参加した薬学生としての感想

最後に私がNSTに参加した感想を紹介させてください。
非常に貴重な体験をできたと思うので、ぜひとも皆さんに共有したいと思います。
薬剤師の信頼度の高さ
1つ目の感想は、薬剤師の信頼度が思っていた以上に高かったことです。
病院内での薬剤師の信頼度が高いのは知っていましたが、NSTでも同様に他の医療スタッフに頼りにされていたんです。
薬剤師は、
ただの薬についていろいろ知っている人
ではなく栄養管理について管理することができ、薬学的視点からNSTに助言をおこなえる存在であるということがわかりました。
栄養と薬は一見すると関係ないように思いますが、実はどちらも健康に関わるという意味では同じです。
そのため、薬剤師が介入できる部分が多いことからNSTでも活躍できるということが分かりました。
確かに、よく考えてみると授業で栄養について勉強しました。
実は現場で役に立つということが分かって、勉強し直してみようと思いました。
NSTは患者さんにとって重要な存在
NSTは患者さんの栄養状態を管理するために重要なことが分かりました。
回診している患者さんの中には、全く食事を摂ることができず、点滴によってなんとか生きているという状態の方がいました。
危険な状態の患者さんにとって点滴だけが命を繋ぐ唯一の手段ですので、点滴を専門的な視点から管理してくれるNSTは重要な存在だと思います。
危険な状態にある人ほど、NSTが大事になってくると思います。
正直言うと、大変そうな患者さんを間近で見るのは初めてだったので、「怖い」という気持ちもありました。
しかし、私が薬学生である以上知っておかなければならない事実です。
今回の実習でそれが体験できたのは本当に良かったと思います。
回診は緊張する
今回私は2日分のNST回診に帯同しました。
医師、薬剤師、看護師、栄養士に混ざり、薬学生の私が一緒に歩いているわけです。
医療スタッフは全員白衣を着ていますので、周りから見れば私も医療スタッフとして見られていたことでしょう。
NSTに模擬参加したことによって医療人としての責任や緊張感を味わうことができ、非常にいい体験をすることができたと思います。
また、カンファレンスの時には医療スタッフの意見を聞きながら、患者さん1人に対して真摯に向き合いながら最善の選択で治療していこうという姿勢を肌身を持って感じることができました。
医療現場の模擬体験はなかなかできることではないので、本当に良かったと思います。
まとめ

さて、今回は私がNSTに参加した時の体験談を紹介してきました。
病院実習の中でも限られた体験だと思うので、みなさんと共有したいと思い、この記事を書きました。
医療現場で働いている医療スタッフの一人として、業務を体験することができたと思います。
また、教科書でしか見たことないNSTに自分が参加している不思議な感覚も味わうことができました。
今後もNSTについて調べてさらに知識を深めていきたいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。