人の体内時計はどれくらいに設定されているかみなさんはご存知ですか?
普段は何気なく生活しているので、自分の体に体内時計があるなんて考えもしない人がいるのではないでしょうか。
今回は人間の体内時計についてのお話を紹介しますね。
人の体内時計はいったい何分なの?
結論から言いましょう。
ヒトの体内時計は約25 時間です!
1日よりちょっと長いのか!?って思いませんでした?
人間が地球で暮らし始めて何年か経ちますが、なんで24時間じゃなくて25時間なんでしょうね。
1 日24 時間周期の昼夜のリズムとはズレが生じるため、起床後、太陽の光を浴びることにより、毎日このズレを修正しています。
例えばみなさんが徹夜勉強をしたり、オールで飲み会、ボーリングをした次の日のことを考えてください。
家に戻った時にはまだまだ元気かもしれませんが、だんだんと眠気が襲ってきませんか?
自分は起きようとしているのに、気づいたら眠ってしまっている経験はありませんか?
これは体内時計がくるってしまっている証拠ですね。
本来なら眠ってから太陽を浴びることで体内時計をリセットできていたのに、オールをすると眠らずに太陽を浴びることになり、身体にとってはイレギュラーな状態になりますね。
これが次の日のだるさや眠気、やる気のなさにつながります。
体内時計って結局、何なの?
体内時計とはいったい何なのでしょう。
身体の中に時計が入っているわけではありません。
その正体とはメラトニンとメラトニン受容体が作る体内リズムです。
ヒトの体内時計は、視床下部の視交叉上核にあり、網膜からの光信号を受けて松果体からのメラトニンというホルモンの分泌をコントロールしています。
メラトニンは夕方から夜間にかけて産生され、睡眠・覚醒やその他の日周リズムを調節しています。
メラトニンの分泌リズムをご覧ください。
メラトニンは睡眠状態の時にたくさん分泌され、覚醒状態の時に分泌が減少します。
メラトニンが出ているときには体は睡眠していると覚えましょう。
そして、朝を迎えて光を浴びるとメラトニンの分泌レベルが下がり、体温が上昇して活動的になるのです。
光に当たらなかったらどうなるの?
起床後、光に当たらずに暗い部屋にずっといたらどうなると思いますか?
誰が見ても不健康な状態なのは明らかですが、体内でも同様に良くないことが起きてしまうのです。
起床後2時間以上、暗い室内にいると体内時計のリセットが行われません。
そうすると体内時計が徐々にずれていき、その夜に寝つくことのできる時刻が約1 時間遅れます。
さらに、こういった状態が続くと体内時計のリズムと、一日のリズムが合わなくなってしまいます。
朝になったのに眠くなったり、夜になっても眠くならずに起きっぱなしになったりと。
これはまさに「夜型人間」と言われる人の典型例で、健康を損ないやすい危険な状態です。
大切なことは体内時計のリズムをきちんとリセットするには、起床後なるべく早く太陽の光を浴びる必要があります。
曇りの日にけだるいのはメラトニンのせい?
私はここで一つ、自分の体験談を思い出しました。
「曇りの日は晴れの日よりも気分が乗らない」
こういった経験はないでしょうか。
どんより曇った日はカラッと晴れた日よりも憂鬱になりますね。
雨なんか降った日にはもう学校に行きたくなくなります。
この体験談と、今回のメラトニンの話を考えると、ある一つの仮説を思いついたんです。
「日光を浴びる量によってメラトニン分泌量の減少量が少なくなり、体内時計がうまくリセットできず、気分が乗らないのではないか?」
これちょっと気になりませんか?
晴れの日は日光をたくさんn浴びることができるので、メラトニンがしっかり減って、体内時計もきちんとリセットされて気分爽快、元気いっぱいになると考えられます。
一方で曇りの日、雨の日には十分に日光を浴びることができないために、体内時計がリセットできずに、メラトニンがまだ体に一定量残っている状態があると考えられます。
メラトニンには脈拍、体温、血圧などを低下させる働きがあることからも、けだるい、やる気が出ないといった状態もうなずけます。
もちろん、実験をしたわけではないので結論は言えませんが、もしかしたらそういった関係性があるかもしれませんね。
生物系の人は、光の照射量とメラトニン分泌量、マウスの行動解析などから僕の仮説を実証してくれたら嬉しいです!
まとめ
さて、体内時計について紹介してきましたが、なんとなくわかっていただけましたか?
簡単な薬学に関する小話ですので、頭の片隅に入れておいてください。
朝起きたらカーテンを開けてすがすがしい朝日を浴びて元気いっぱいの一日を送りましょう。