国立大学薬学部に入学したいけど、実際にどんな経験ができるかわからない。
入学した後のことが知りたいと思っているあなたにおすすめの記事です。
この記事では、実際に大阪大学薬学部に入学した私が、卒業までの6年間でどんな経験をすることができたかを紹介します。
あなたが国立大学薬学部に入学したときのことを想像しながら読み進めてください。
目次
大阪大学薬学部に入学した6年間の経験を5コマで絞ってみました
大阪大学薬学部ではとにかくいろんな経験をすることができました。
6年間という非常に長い期間から、印象的な経験を5つピックアップしました。
最先端の研究ができる
国際学会で発表することができた
大学病院での2ヵ月半の実習体験
卒業論文発表会&卒論作成
1つ1つ私の大学での経験を紹介していきます。
怒涛の試験週間を乗り越えた
薬学部では学習するべき科目が非常に多いです。
生物分野はもちろんのこと、薬理、動態、製剤科学、有機化学など挙げただけでもキリがありません。
そして、地獄を見るのが試験前です。
試験は1週間にわたって続き、1日3教科から4教科こなす必要がありました。
これがめちゃくちゃ大変。
高校の勉強と違って、知識が専門的で用語もたくさん出てきます。
有機化学では反応式の矢印を書いたり、構造式を書いたり反応名を覚えたりでめちゃくちゃ難しい。
薬理学では薬の名前と働きを紐づけるので一苦労です。
朝は6時に起きて、12時まで勉強してお昼ご飯をすぐに食べて18時まで勉強して、3時間仮眠して朝まで勉強
これを1週間繰り返して試験期間に突入です。
試験期間も次の日の勉強で大忙し。
早めに勉強を始めたはずなのに、結局毎日徹夜するハメに。
モンスターとレッドブルにはお世話になりました。
薬学部に通う大学生として、ありがちな経験ができました。
最先端の研究ができる
国立大学薬学部には最先端の研究を経験できる研究室が揃っています。
ハーバード大学やオックスフォード大学など海外のトップレベルの研究室で業績を残した先生が数多くいらっしゃいます。
私の研究室の教授はハーバード大学で、金属触媒について研究をしており、数多くの賞を取っていました。
そんな、素晴らしい教授の研究室で学べることはこの上ない経験です。
私は「抗がん剤」の元になる可能性を秘めた果物に含まれる成分の研究をしていました。
アボガドの仲間で、これに含まれる成分に抗がん作用があったんです。
この成分の構造を有機化学の力で変えていき、新しい化合物を作っていました。
まさに、自分が最先端の抗がん剤を研究していたわけですね。
私は幼いころから薬の研究をしたかったので、夢が叶い毎日更新されるという経験ができました。
最終的には微力ながら肺ガンに効果がある化合物を作ることができました。
実際に使われている抗がん剤よりは、効果は弱いのですが今後の肺ガン治療薬の研究の一端を担うことができたと思います。
国際学会で発表することができた
私の研究成果が認められ、国際学会でポスター発表することができました。
本当はプレゼン発表したかったのですが、審査が厳しかったためにポスター発表になりました。
ポスター発表会場では、各大学の教授や学生が訪れ、たくさんの方と交流することができました。
特に印象的だったのがアメリカの研究機関の方が私のポスターに興味を持ち、ディスカッションすることができたことです。
英語で質問を受け、5分ほど色々と話すことができました。
全ての英語が聞き取れたわけではないですが、言いたいこと、質問していることは理解できたため、自分の考えを伝えることができました。
アメリカの研究員と話せたことは私にとって大きな財産になっています。
大学病院での2ヵ月半の実習体験
続いての経験は大阪大学の付属病院で2か月半にわたり学生実習を体験できたことです。
大阪大学は日本でも指折りのベット数と高度医療を提供しており、まさにトップレベルの病院です。
私は薬学生として阪大病院の薬剤部で実習体験してきました。
薬剤部には40人ほどの薬剤師さんが働いており、薬のピッキングから抗がん剤、輸液の調整などを行っていました。
実際に私も抗がん剤の調整をお手伝いする機会がありました。
輸液に抗がん剤を注射で入れて、混合し、品質チェックまでおこないました。
「その抗がん剤、指に指したらけっこう危ないから気を付けて」
と言われたときにはさすがにビビりましたね。
危ない抗がん剤を適切に使うと、ガンが治っていくので不思議ですよね。
また、病棟で患者さんのベットサイドにまで足を運び、体調や薬の飲み忘れがないかなどをチェックしました。
患者さんからすると、薬学生の実習は新鮮なようで、とても親切に対応してくださいました。
病室を回っていると、とても大変そうな患者さんもいらっしゃって、死を間近に感じた瞬間もありました。
大学の授業だけでは絶対に学べないような貴重な体験でした。
卒業論文発表会&卒論作成
最後の経験は卒業論文発表会と卒論作成です。
まず最初に卒論を簡単に説明すると、卒業のために必要なめちゃくちゃ長いレポートのことです。
私の場合はA4のワードで35ページもありました・・・
めちゃくちゃ長いです。。。
自分の所属している研究室でやってきた研究の成果を卒業論文にまとめていきます。
なぜ、自分の研究をしているのか、自分の研究が何の役に立つのか、研究の発展性などを卒業論文に書いていきます。
特に、国立大学薬学部の場合は審査がめちゃくちゃ厳しく、何度も教授に添削してもらいましたね。
30回以上は赤ペンで修正されました。
この表現はおかしいね
この部分はもっと具体的に書いてほしいな
この文章は何を言っているかわからないから書き直して
などなど、今思い出しただけでも寒気がしてきます。
さらに、卒業論文を完成させたら、卒業論文発表会がありました。
卒業論文発表会では、薬学部の教授の前で20分間に渡るプレゼン発表をしました。
原稿を覚えることも大変でしたし、教授陣から飛んでくる質問に答えるのも大変でした。
20分が果てしなく長く感じられました。
卒業論文発表と卒論作成を通じて、研究の難しさや大変さを経験することができたと思います。
もし、あなたが大阪大学の薬学部に来てくれれば何かしらのアド橋鵜をすることができるかもしれません。
薬学部の経験は無駄にならない
薬学部での経験はどれも貴重なもので、すべてが人生の役に立つ経験だと思います。
国立大学の薬学部は非常にレベルが高く、レベルの高さに追いつけるよう自分もかなり努力します。
その努力の過程で、自分の力が伸びていくのではないかと思います。
国立大学の薬学部でしか経験できないような貴重な時間だったと思います。
この記事を読んで、あなたが実際に国立大学薬学部に入学した後のことを想像してみてください。