こ単語を聞いたことはありますか。善玉コレステロールは最近になって、新聞や雑誌、テレビなどで扱われる機会が増えてきており、何度か耳にしたことがあるかもしれません。
しかし、実際にこのコレステロールは何をしているのか、コレステロールと何が異なるのかについてよくわからないことが多いと思います。そこで今回は善玉コレステロールについて焦点を当て、働きや役割について紹介していきたいと思います。
目次
善玉コレステロールの正体
まず初めに、善玉コレステロールは何から作られているのでしょうか。
善玉コレステロールの構造を詳しく見てみると、コレステロールとリポタンパクが含まれています。
コレステロールは皆さんも聞いたことがあるように、卵やベーコンに含まれている物質です。
コレステロールは油ですから、単体では水溶性の血液には溶けず、リポタンパクという両親媒性のタンパクと混ぜ合わされることによって、血液中に放出されます。
善玉コレステロールは、その内部にコレステロールを格納しています。
コレステロールはテレビや新聞などでも取り上げられており、「コレステロールを下げましょう」「コレステロールが高い人は要注意、すぐに医者へ!」などの見出しを見る機会もあると思います。
このことから、コレステロールは体にとっては毒で、すぐに排泄されたほうがいい!
と思ってしまうでしょう。
しかし、それは間違いであり、今回はコレステロールの正しい知識を持つようにしてください。
善玉コレステロールの役割
結論から言うと、コレステロールは私たちの体になくてはならない重要な物質です。コレステロールは体内で以下の4つの役割があります。
・ビタミン合成のための原料
・ホルモン合成のための原料
・消化液の原料
・細胞膜の構成
ビタミンやホルモンは、私たちの体内で必須の物質であり、合成量が減ったりバランスが崩れたりすると、体に不調が生じます。
特に性ホルモンはコレステロールを原料としているので、あまりにもコレステロールの摂取が少ないとホルモンバランスも崩れていってしまいます。
また、コレステロールは胆汁の原料である胆汁酸の原料となっています。
胆汁は膵液と一緒になることでその働きを活性化し、消化や分解を促進しています。
細胞膜の表面にはコレステロールをもとにした膜が形成されており、細胞の形を保つために必要になります。
このようにコレステロールは非常に重要で、体にとってはなくてはならない存在です。
世間一般で言われている、「コレステロール=悪い物! 体にとって害がある!」という認識は間違いなんです。
正しくは、「過剰なコレステロール=悪い物! 体に害がある」と覚えてください!
善玉コレステロールの働き
では、次に善玉コレステロールの働きについて紹介します。
善玉コレステロールはその内部にコレステロールを格納し、血液コレステロールを運んでいます。
コレステロールは善玉コレステロールと似た構造の悪玉コレステロールによって、肝臓から配分されます。
悪玉という名前ですが、適正な量であればしっかりとコレステロールを分配しています。
そして、各組織で使われなかったコレステロールや、血中に残っているコレステロールは体にとって悪影響があります。
コレステロールが血管壁に沈着することによって動脈硬化症や狭心症などの合併症を誘発します。
つまり、不要なコレステロールは速やかに回収される必要があります。
ここで働いているのが善玉コレステロールです。
善玉コレステロールはコレステロールを回収し、肝臓に戻すことで血中コレステレロールを一定に保っています。
簡単に言うと、血管から不要なコレステロールを吸い取ってくれる掃除機の様な存在です!
善玉コレステロールが減少してしまうと?
善玉コレステロールが減ってしまうとどうなるのでしょうか。
掃除機が壊れてしまって部屋の掃除ができなくなった状態を考えてください。
ごみやほこりがどんどんたまっていき、部屋が汚くなっていきますね。
これと同じことが血管内でも発生し、コレステロールが血管内に増えていき、先ほどの動脈硬化症を引き起こします。
動脈硬化症により、血管が硬くなることから血圧が上昇することで高血圧症になったり、血栓形成による狭心症や、血栓が血管に詰まる心筋梗塞や脳梗塞を誘発します。
このようにコレステロールが血管に溜まってしまうことは人間にとって大きな悪影響を及ぼすことが分かります。
また、善玉コレステロール量が血中に40mg/dL未満になると、脂質異常症として診断されます。
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/metabolic/ym-029.html
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/metabolic/ym-071.html
脂質異常症は生活習慣病の1種であり、誰にでも起こる疾患です。
主な原因としては、食生活の乱れや運動不足などがあり、善玉コレステロールが減少し、悪玉コレステロールが増加しすぎてしまうことで発症します。
善玉が減り、悪玉が増えると聞くだけで確かに体に良くないイメージがありますね。
コレステロールを上手に保つには?
血管内にコレステロールが溜まり過ぎないようにするためには、生活習慣の改善が最も効果的と言われています。
適度な運動を心がけ、朝昼晩の3食の食事をきちんと摂ります。
適度な運動とは?
適度な運動とは1日30分程度の軽い負荷がかかる運動が良いとされています。
例えば、ウォーキングであったり、水泳などですね。
しかし、働いていたり、学校に通っていたりするとなかなかまとまった時間を確保できないのも事実です。
そんなときは、細切れでもいいので歩くことを心がけるといいですね。
駅から徒歩10分のところに家があるなら、往復で20分は確保できます。
残りの10分を職場や学校で歩けば目安量は超えてきますね。
一点、注意するべきなのはダラダラ歩かないことです。
ゆっくりとダラダラ歩いていては身体に負荷がかかりません。
1歩が60cmを超え、1秒に2歩進むようにするとちょうどいいです。意外と汗をかくんです。
食生活のポイント
コレステロールを上手く保つために食生活で気を付けるべき点は、カロリーオーバーの食事をしないことですね。
カロリーの摂取目安は、体重×25~30kcalと言われています。
体重が50㎏の人であれば1250~1500kcal程度。
1食あたり500kcalです。
まずは自分の体重に対して何kcalまで食事ができるのかを考えてみましょう。
カロリーは最初の目安で、比較的分かりやすいと思うのでまずはここから始めてみましょう。
まとめ
さて、善玉コレステロールについてやコレステロールについて分かっていただけましたでしょうか。
コレステロールは意外にも私たちの身体を保つために重要な役割を持っていて、善玉コレステロールはその手入れをしていましたね。
善玉コレステロールが減ってしまうと、血管内のお掃除屋さんがいなくなってしまうので、コレステロールが溜まり動脈硬化などの合併症を引き起こしていきます。
コレステロールの量を適切に保つためには、まずは生活習慣の見直しから始めてみましょう。
医者に行けばコレステロールの薬をもらうことができますが、自分の力で改善していくのが最もいいでしょう!
お金もかかりませんし!!
最後まで読んでいただきありがとうございました。