今回はZONE2の勉強法の後半戦についてです。
ZONE2の前半を勉強法を知りたいときには下のリンクからアクセスしてください。
ZONE2は何度も言っているように、非常にハードな分野です。
そのため、早めに対策を始めておくといいでしょう。
目次
ZONE2で勉強する範囲
まずはZONE2で勉強する範囲を確認しておきましょう。
ZONE2は3つのパートに分かれています。
- 薬と疾病Ⅰ
- 薬と疾病Ⅱ
- 薬と疾病Ⅲ
始めにパートごとにどんな勉強をするかを説明していきますね。
薬と疾病Ⅰ
薬と疾病はⅠ~Ⅲの3つのパートに分かれていています。
パートⅠでは主に「薬理学」について勉強していきます。
薬が効果を発揮するプロセスや、治療薬の分類、疾病の種類について細かく勉強します。
ZONE2の中で最も範囲が広いことから大変な部分です。
ZONE2をやるならまずはこの範囲から始めましょう!
薬と疾病Ⅱ
パートⅡでは「薬物動態学」と「製剤学」がメインです。
薬が吸収され、体内に分布して、代謝、排泄までの過程を勉強していきます。
また、代謝速度、排泄速度を式とグラフを用いて視覚的にとらえていきます。
製剤学では、薬の材質や剤型などについて勉強していきます。
覚えるのが多い部分なので、特徴をしっかり押さえながら勉強していきましょう。
薬と疾病Ⅲ
パートⅢは「医薬品情報」、「患者情報」について扱います。
パートⅢはパートⅠ、Ⅱと比べるとはるかに楽です。
覚えることも少ないですし、出題されない場合が多かったです。
そのため、軽く勉強しても大丈夫です。
今回は、パートⅡの「薬と疾病Ⅱ」の勉強法について紹介していきます。
薬と疾病Ⅱの勉強法
CBTのZONE2の中でも、パートⅡの範囲は非常に勉強がしにくい分野になっています。
パートⅡで扱う分野は以下の2つです。
製剤学
この2分野を聞いて、あなたは得意ですか?
薬物動態学、製剤学もどちらも苦手な学生が多く、勉強しにくい範囲で有名です。
薬理学と並び、非常に大変な分野になっています。
薬物動態学
薬物動態学は、薬が体内に入って体に対してどんな効果を示すかについて勉強します。
ADMEという単語を覚えていますか?
D:Domination、分布
M:Metabolism、代謝
E:Excretion、排泄
この4つの単語は薬物動態学の中で最も重要ですので、しっかりと覚えておきましょう。
薬が吸収され、体内に分布し、代謝されて、排泄されるまでを一連の流れとして覚えておきましょう。
製剤学
製剤学は主に、薬の剤型について勉強していきます。
吸収効率を上げたり、代謝されやすくするために、薬の表面を加工するのが、製剤学の基本です。
どんな加工のやり方なのか、どうやって加工するかについて勉強していきましょう。
製剤学は暗記が非常に多いです。
また、薬理分野、化学分野との関連が薄いので、関連付けて覚えることができません。
そのため、ただただ暗記をするしかないです。
しっかりと1個ずつ覚えてください。
C13-4, 薬物の臓器への到達と消失
- 吸収
- 分布
- 代謝
- 排泄
- 相互作用
吸収
ここでは薬物が吸収される過程を勉強します。
薬が体内に入ると、必ず脂質二重膜を通過して、分布していきます。
吸収の分野では、脂質二重膜を輸送する形式と吸収部位を勉強します。
輸送形式
主に通過の様式は4種類です。
能動拡散
促進拡散
膜同輸送
この4種類を覚えれば、吸収の範囲は終了です。
覚えるポイントは
の2つです。
この2つに注目しながら勉強していきましょう。
単純拡散
エネルギーを必要とせず、透過速度は物質の濃度に比例する
担体(輸送体)を必要としない
単純拡散は最もシンプルな輸送形式です。
濃度勾配に比例して、膜透過がよくなります。
輸送するときには担体を必要としません。
能動拡散
担体が必要
能動拡散は4つの輸送形式の中で最も難しいのでしっかり覚えましょう。
難しいポイントとしては、輸送系がたくさんあることです。
何と何が共輸送になっているかを覚えてください。
促進拡散
エネルギーは必要としない
担体を使った輸送形式
エネルギーを必要としませんが、担体が必要です。
覚えることはほとんどないです。
膜同輸送
膜同輸送は特に覚えるポイントはありません。
エンドサイトーシスとエキソサイトーシスの2ワードだけを覚えれば大丈夫です。
吸収部位について
吸収部位について最も覚えるべきポイントは胃内容物排出速度(GER)についてです。
どんなときにGERが変化するかを覚えてください。
GERが影響を受ける因子は、薬を飲むタイミングや服用薬などがあります。
非常に覚えにくいです。。。
覚えるポイントが増えるので、ノートに書き出して覚えましょう。
分布
続いてのステップは分布についてです。
分布もよく分からない!!!範囲です。。
分布のポイントは大きく分けて2つです。
これさえ分かっていれば分布の範囲は大丈夫でしょう。
組織への移行のしかた
薬物と血漿タンパクとの関係
薬物は血液の中から組織へと移動していきます。
一方で、血液と組織内にはそれぞれ血漿タンパクと組織タンパクが存在しています。
血液内の血漿タンパクは、血液中の薬物と結合し、組織への移行をブロックします。
また、組織内の組織タンパクは、組織中の薬物と結合し、血液に薬物が戻るのをブロックしています。
まずは2種類のタンパク質の働きを押さえておきましょう。
血漿タンパクのことをアルブミンと呼びます。
アルブミンについて聞かれた時には応えられるようにしておきましょう。
組織への分布のしかた
薬物は組織内へ分布することで効果を発揮します。
つまり、組織タンパクと結合しやすい薬物の方が薬効を発現しやすいということが分かりますね。
また、血漿タンパクと結合しやすい薬物は、組織内に移行できないので、薬効発現しにくいということが分かるでしょう。
代表的な分布容積の大きい薬物を覚えておきましょう。
代謝
代謝分野の勉強のポイントは以下の3つです。
第Ⅱ相反応
代謝阻害
この3つを意識して勉強してください。
第Ⅰ相反応
第Ⅰ相反応は、酸化、還元、加水分解によって薬物を変換する反応です。
薬物の水溶性を高めることが目的であることを確認してください。
第Ⅰ相反応の中で最も問われるのはCYP450による酸化反応です。
CYP450は非常にたくさんの種類があるので、かなり覚えるのが大変です。
CYP1A2、CYP2C9, CYP2C19に特異的に就職される薬物があるので、しっかり覚えましょう。
「CYP1A2によって代謝される薬物を次の4つの中から選べ」という問題も出るかもしれません。
そのときに、カンに頼ることのないように、しっかり覚えることを目指しましょう。
あまりにもたくさんあるので、勉強を始めるのが遅くなってしまったり、残り時間が少ないときには捨ててしまってもいいでしょう。
第Ⅱ相反応
第Ⅱ相反応では抱合反応がメインです。
主に登場する抱合反応の種類は5種類です。
硫酸抱合
アセチル抱合
アミノ酸抱合
グルタチオン抱合
1つ1つについて説明ができるように、勉強してください。
この範囲はZONE3でも扱うので、先にやっておくとZONE3の勉強がしやすくなりますよ。
代謝阻害
代謝阻害は問題にしやすいことから、よく狙われる範囲です。
第Ⅰ相反応で出てきた、CYP450を阻害する薬物がたくさんあるので、代謝時間が乱れたりします。
CYP阻害薬の種類は少なくとも10種類あるので、覚えるのが大変でした。
オメプラゾール+ジアゼパム→CYP2C19の競合阻害によるジアゼパムの作用増強
ジルチアゼム+トリアゾラム→CYP3A4の競合阻害によるトリアゾラムの作用増強
これだけ見ただけでも、ちょっと覚える気が失せてしまいますよね。
早めにやっておくことをおすすめします。
直前になると、覚える気がなくなります。
代謝阻害の他にも代謝誘導を起こす薬物もあるので、同時に覚えておきましょう。
喫煙はCYP1A2酵素を誘導し、テオフィリンやプロプラノロールの作用が減弱します。
この知識は病院実習でも使えるので今の内覚えておくといいでしょう。
排泄
さあ、いよいよ排泄のステップまで来ましたね。
体内に吸収された薬物が、体の組織を巡り、最後に体外へ排泄されます。
代謝は腎臓で行われます。
腎臓の構造と一緒に覚えてください。
このタイミングで、利尿薬について復習しておくと効果的でしょう。
排泄の範囲では単語の意味を中心に覚えましょう。
下の単語は要チェックです。
腎クリアランス
腸管循環
これら3つは自分の言葉で説明できるようにしておいてください。
特に腸管循環はあまり聞きなれない言葉なので注意です。
「腸管循環の機構として正しい説明はどれか」という問題が出されるかもしれません。
また、腸管循環を受けやすい薬物も合わせて覚えておきましょう。
相互作用
相互作用の範囲では、薬物によって吸収、代謝のされ方が変化することを勉強します。
代謝誘導、代謝阻害などを勉強します。
また、食事によっても、吸収のされ方が変わります。
この範囲は、暗記が多く、1つ1つ丁寧に覚えていってください。
区別が難しいので、吸収、分布、代謝を勉強しながら、同時並行で読んでおくと頭に入りやすいと思います。
C13-5, 薬物動態の解析
2つ目の薬物動態の分野は、薬物動態を実際に数式を用いて勉強していきます。
主な範囲としては下の2つです。
TDM
TDMはとにかく暗記をするだけです。
TDMの対象になっている薬物をひたすらに暗記していきます。
つまり、この分野で理解が必要なのは前半の薬動学についてです。
薬動学では数式やグラフがたくさん出てくるので、反復練習が必要です。
それでは詳しく見ていきましょう。
薬動学
薬動学の勉強のポイントは下の3つ
薬動学の単語を覚える
グラフと式を一致させる
薬動学にはたくさんの用語が出てきます。
クリアランス
バイオアベイラビリティ
平均血中濃度
まずは単語から覚えてください。
それぞれの単語を説明できる状態にすることが最低限やるべきことです。
用語が覚え終わったら、次にグラフを見ながら式を使って問題を解いていきましょう。
主に扱われるのは1-コンパートメントモデルです。
薬物消失速度、半減期を意識しながら、勉強していきましょう。
この部分はどれだけたくさんの問題が解くかによって、理解が深まっていきます。
最初は問題で何が問われているのかが分からなくても、徐々に解けるようになるでしょう。
すぐに答えを見てもいいので、解説を読みながら解き方の流れを覚えていきましょう。
CBTで問われる計算はそこまで難しくないので、ゆっくりと勉強してください。
TDM
TDMの範囲はとにかく暗記です。
暗記が多すぎて嫌になってしまうかもしれません。
暗記のポイントとしては、出てくる薬物の薬効ごとに覚えることです。
TDMをするということは、扱いが難しく副作用が発現しやすいものが多いです。
強心配糖体
抗不整脈薬
抗菌薬
免疫抑制剤
抗悪性腫瘍薬
ぜんそく治療薬
薬効ごとに覚えていきましょう。
TDMを勉強すると同時に、作用機序などを復習しておくと知識の定着がしやすいです。
TDMの細かい数値については、正直覚えなくていいと思います。
私は、覚えませんでした。
友達に聞いても、「捨てていた」という人が多かったです。
余裕があれば、覚えるという考え方でいいと思います。
「フェニトインの有効血中濃度:10~20µg/mL」を暗記するのはけっこう大変です。
何のつながりもなく、前後の範囲でも全く出てこないので、完璧に覚えるのは難しいと思います。